『機能盛り盛りで、なおかつ安い』ということで、ゲームデバイス界隈で話題となっている『VADER 3 PRO』。
FPS用に購入を考えている人が多いと思いますが、私はストリートファイター6をプレイするために購入。
格闘ゲームでも十分に使える高性能パッドでしたので、VADER 3 PROの特徴やメリット・デメリットなどをレビューしていきます。
VADER 3 PROの特徴
まずはFlydigi-VADER 3 PROの主な特徴を紹介していきます。
メカニカルボタン搭載
VADER 3 PROはA・B・X・Y、トリガーストップを使用した際のLRトリガーがメカニカルボタンになっています。
マウスクリックのような感触で、非常に早く反応してくれます。
その他のボタンには「カタカタ」という感触のスイッチが使用されており、こちらもメンブレンボタンよりも反応は速いと思います。
天面6ボタン
VADER 3 PROは天面にA・B・X・Yに加え、CとZボタンが配置されています。
この追加ボタンは意外と押しづらい位置にあるため、間違えて押してしまうことは少ないと思います。
ただし、とっさに押すには向いていない位置なので、追加ボタンにどんな役割を持たせるかは工夫が必要かもしれません。
背面4ボタン
VADER 3 PROには4つの背面ボタンが搭載されています。
背面ボタンはそれぞれ独立しており、パッドを手に持ったときに押しやすい位置に配置されています。
トリガーストップ搭載、トリガーボタンがメカニカルボタンに
VADER 3 PROはトリガーストップ機能が搭載されています。
トリガーストップは、コントローラーのトリガーボタン(通常はL2やR2など)の動きの範囲を制限するために設計されています。
これにより、トリガーボタンを完全に押し込む必要がなくなり、より少ない距離で反応させることができます。
さらに、トリガーストップを使用した際のトリガーボタンがメカニカルボタンになっているのが大きな特徴です。
十字ボタンがタクトボタン
VADER 3 PROは十字ボタンが「カタカタ」という入力感のあるタクタイルボタンになっています。
一般的なパッドの十字ボタンに慣れていると違和感があるかもしれません。
ただ、入力感に慣れてくるとどの方向に入力しているか分かりやすく、誤入力を減らせると思います。
メンブレンスイッチよりも反応が良く、素早い入力が可能です。
ホールエフェクトセンサースティック
ホールエフェクトセンサースティックは、磁場の変化を検出して電気信号に変換することで動作します。
この技術は、非常に正確な位置検出を可能にし、微妙な動きや微細な調整を高精度で表現できます。
また、物理的な接触を必要としないため、摩耗が非常に少なく長寿命とされています。
接触式センサーのスティックと比較して、ホールエフェクトセンサーは故障のリスクが低く、全体的な信頼性が高まります。
ポーリングレート500Hzで低遅延
ポーリングレートは、コントローラーがどのくらいの頻度でデータをコンピューターやゲーム機に送信するかを示す数値です。
これは1秒間に何回データが更新されるかを意味します。
一般的なゲームコントローラーのポーリングレートは、125Hzから1000Hzの範囲にあり、500Hzは多くの高性能ゲームパッドや競技向けコントローラーで使用されます。
VADER 3 PROのオフィシャルサイトによると、遅延は3ms(0.003秒)です。
有線接続と無線接続の両方に対応
VADER 3 PROは、無線接続と有線接続の両方に対応しています。
付属品としてUSBドングルとUSBタイプCケーブルが付属しているので、基本的に購入してそのまま使用することができます。
対応ハードはPC、Swich、スマートフォン
VADER 3 PROの対応ハードは、PC、Swich、スマートフォンとなっています。
PSには対応していないようなので、注意が必要です。
専用アプリで細かいカスタマイズが可能
VADER 3 PROはオフィシャルサイトからダウンロードできる『Flydigi Space3.0』という専用アプリによって、細かいカスタマイズが可能です。
専用アプリではボタンの設定やスティック感度、デッドゾーン調整、トリガー調整、ライティング、振動、プリセットなどの設定ができます。
専用アプリは日本語対応しています。
VADER 3 PROをスト6で使ってみた感想
VADER 3 PROをスト6で使ってみた感想を以下にまとめました。
- メカニカルボタン搭載で反応が速い
- トリガーボタンの使いやすさは抜群に良い
- 天面の追加ボタンと背面ボタンによるカスタマイズ性の高さ
- 天面6ボタンに「弱中強」攻撃を配置するのは難しいかも
- 十字ボタンは入力感が分かりやすい
- スティックは軽すぎず重すぎず、ちょうど良い
- この性能で1万円以下はかなり安い
- マニュアルは日本語対応していないので分かりづらい
- アリエクスプレスで買わなければいけないのはマイナスポイント(到着まで時間がかかる、トラブル時の対応など)
ボタンの反応が速くて格ゲー向き
VADER 3 PROを使ってみて感じたことは、ボタンの反応が良いことです。
VADER 3 PROにはメカニカルボタンやタクトボタンが使われており、反応が非常に速いです。
ボタンは少し重めですが、その分まちがえて押してしまうことは少ないと思います。
また、トリガーストップを使用した際に、トリガーボタンがメカニカルボタンになるという点は、このパッド最大の魅力と言ってもいいでしょう。
トリガーボタンの反応を速くできることは、格闘ゲームのプレイ環境に最適です。
HORIの『ファイティングコマンダーOCTA』と比較しても、総合的なボタンの反応速度は負けていないと言えます。
天面6ボタンに「弱中強」攻撃を配置するのは難しいかも
天面6ボタンも『ファイティングコマンダーOCTA』と同じですが、VADER 3 PROの天面6ボタンに「弱中強」攻撃を配置するのには向いていないと感じました。
その理由は、追加ボタンがA・Bボタンの右下に配置されているため、弱中強を横並びに配置できないからです。
X・A・CとY・B・Zに「弱中強」を並べることは可能ですが、その場合は投げがXY同時押しとなるので、少しやりづらさを感じました。
この配置でプレイする場合は、投げボタンをLRか背面ボタンに配置するのが良いかもしれません。
カスタマイズ性は非常に高いので、インパクトボタンやパリィボタン、アシストボタンなどを押しやすい位置に配置することが可能です。
背面ボタンは、LRに人差し指と中指に添える場合は薬指、人差し指だけを添える場合は中指で押しやすい位置にあり、なかなか使いやすいと思いました。
十字ボタンは入力感が分かりやすい
十字ボタンはタクトボタンになっており、入力するとカチカチという感触があります。
横から見ると少し浮いたような構造になっているため、十字ボタンというよりもスティック部分がめちゃめちゃ短いアナログスティックのような操作感です。
カチカチ感で入力方向が変わったことを感触で分かるので、個人的には気に入っています。
ただし、十字ボタンの配置がXBOXやSwitchコントローラーの位置になっているため、PSコントローラーに慣れているとプレイしづらく感じるかもしれません。
スティックは軽すぎず重すぎず、ちょうど良い
スティックは軽すぎず重すぎず、ちょうど良い感触です。
このパッドはホールエフェクトセンサースティックが搭載されていますが、スト6をプレイする上では特に恩恵は感じません。
普通のスティックでスト6をプレイするのに過不足はない、という感想です。
普段アナログスティックでプレイしている人なら、特に違和感を感じることはないでしょう。
ただ、このスティックには金属が使用されており、物理的な接触を必要としないホールエフェクトセンサーなので、耐久性は高いのではないかと思います。
コスパが非常に高いゲームパッドだが、最安値で入手するにはアリエクスプレスで購入しなければならない
VADER 3 PROは、これまで紹介したように多くの機能を搭載しています。
メカニカルボタン、背面ボタン、トリガーストップ、ホールエフェクトセンサー、無線接続対応、これだけ揃うと2万円以上するのが普通です。
しかし、VADER 3 PROは1万円以下で販売されています。(2024年1月現在)
まだ耐久性については不明ですが、この価格は素晴らしいですね。
ただ、安く購入するには中国の通販サイト『アリエクスプレス』で購入する必要があります。
アリエクは中国の通販サイトなので、商品到着まで時間がかかるのは当然ですが、初期不良など何か問題が起こった場合の対処が非常に面倒です。
販売している業者によっても対応が異なるので注意が必要でしょう。
私はアリエクスプレスの『MIJIA Store』という販売者から購入し、注文から10日ほどで届きました。
この販売者から2回購入していますが、2回とも大きな問題はありませんでした。(問題があったとすれば、箱が少し潰れていたくらいです。中身は無事でした。)
Amazonでも出品されていますが、価格は高くなってしまいます。
しかし、Amazonは商品到着までの速さや返品交換処理がカンタンというメリットもあります。
Amazonで購入する場合は、ファイティングコマンダーOCTAという選択肢もあるので、十分に考慮して購入しましょう。
VADER 3 PROをスト6で使うメリット
天面6ボタンと背面4ボタン搭載で、自分にあったカスタマイズが可能
VADER 3 PROの最大のメリットの一つは、そのカスタマイズ性にあります。
このゲームパッドは、天面に6つのボタンと背面に4つの追加ボタンを搭載しており、プレイヤーに幅広いカスタマイズオプションを提供してくれます。
スト6では指を添えておきたいボタンが多いので、背面ボタンの存在も有利に働きます。
インパクト、パリィ、アシストボタン、差し替えし技など、瞬間的な反応が必要なボタンを押しやすい位置に配置できます。
メカニカルボタン搭載で反応が速い
VADER 3 PROの重要な特徴の一つは、メカニカルボタンの搭載です。
メカニカルボタンの主な利点は、キー押下時のタクタイルフィードバックと短いアクチュエーションポイントです。
プレイヤーはより速くボタンを操作でき、ゲーム中の反応時間を大幅に短縮できます。
トリガーストップを使うとトリガーボタンがメカニカルボタンになる
VADER 3 PROのユニークな機能の一つは、トリガーストップを使うと、トリガーボタンがメカニカルボタンとして機能する点です。
トリガーストップは、トリガーボタン(通常はL2やR2など)の押し込み距離を大幅に短縮する小さなメカニズムです。
これにより、トリガーボタンの動作範囲が限定され、ボタンのアクチュエーションポイント(反応する点)がずっと浅くなり、プレイヤーはほんのわずかな力で素早く反応させることができます。
トリガーストップが搭載されているパッドは多くありますが、トリガーボタンがメカニカルボタンになるのは珍しい機能です。
これは格闘ゲームはもちろん、FPSやアクションゲームでの迅速な反応が求められる場面で特に有効です。
汎用性が高く、格ゲー以外にも使える
VADER 3 PROは、その高い汎用性により、格闘ゲームだけでなく、多様なゲームジャンルに適応できるのが大きなメリットです。
というよりも、本来は格闘ゲームよりFPSゲーマーに向けたパッドだと思います。
格ゲー用デバイスだと格ゲー以外のプレイには向きませんが、VADER 3 PROは複数のカスタマイズ可能なボタンと高度な機能を備えており、どんなジャンルのゲームでも快適にプレイできるでしょう。
高性能なのに安い
VADER 3 PROゲームパッドの魅力の一つは、その高性能さと、それにも関わらず手頃な価格で提供されている点にあります。
VADER 3 PROの価格は、アリエクスプレスで8千円ほどです。
多くの高級ゲームコントローラーは、高度な機能や特別な技術により価格が高騰する傾向にありますが、VADER 3 PROはコストパフォーマンスに優れています。
また、アケコンやレバーレスコントローラーといった格ゲー用デバイスも2,3万円することが珍しくありません。
高性能パッドとしても、格ゲー用デバイスしても、かなり手ごろな価格設定となっています。
VADER 3 PROをスト6で使うデメリット
天面6ボタンの配置が格ゲーパッドとは異なる
VADER 3 PROの天面6ボタンは、HORIの『ファイティングコマンダーOCTA』のような横並びではありません。
そのため、天面6ボタンに「弱中強」攻撃を配置すると特殊な並びになり、快適にプレイするには慣れが必要になります。
通常のパッドのように、Rボタンに強攻撃を配置する場合は、特にデメリットにはなりません。
最安値で購入するにはアリエクスプレスを利用する必要がある
VADER 3 PROゲームパッドを最安値で購入しようと考えた場合、アリエクスプレスを利用する必要があるという点は一つのデメリットと考えられます。
アリエクスプレスは、中国の大手オンラインショッピングプラットフォームで、多くの電子製品を低価格で提供していますが、いくつかの制約が伴います。
まず、アリエクスプレスは国際的なショッピングサイトであるため、商品の配送には通常より長い時間がかかることがあります。
また、言語の障壁、保証や返品に関する問題に直面する可能性があり、これらは購入プロセスの一部として考慮すべき重要な要素です。
私はこのVADER 3 PROを2回アリエクスプレスで注文し、1回目の注文は商品が届かないというトラブルに遭ってしまいました。
2回目の注文は問題ありませんでしたが、トラブルがあった場合は国内通販サイトとは比べ物にならないくらい面倒です。
ちなみに問題があったのは『SZ Games Store』という販売者で、この販売者から購入するのは個人的にオススメできません。
2回目は『MIJIA Store』という販売者から購入し、注文から10日ほどで届きました。
この販売者から2回購入していますが、2回とも大きな問題はありませんでした。(問題があったとすれば、箱が少し潰れていたくらいです。中身は無事でした。)
アリエクで購入する場合は、出品者の評判などをしっかりとチェックしてから購入するほうがいいでしょう。
また、『Flydigi-VADER 3』と『Flydigi-VADER 3 PRO』は別商品なので、購入の際には気を付けて下さい。
まとめ:VADER 3 PROはコスパの良い高性能パッドでスト6でも十分使える、でも最安値はアリエク
Flydigi-VADER 3 PROをレビューしました。
VADER 3 PROはメカニカルボタンや拡張ボタン、トリガーストップなど様々な機能を搭載しています。
格闘ゲームをプレイする上で特に重要なのは、トリガーストップを使用するとトリガーボタンがメカニカルになるという点です。
トリガーボタンの反応が非常に速くなるため、かなりプレイしやすくなります。
とても高機能ながら1万円以下で購入できるため、とてもコスパの高いゲームパッドだと言えます。
ただし、最安値で購入するにはアリエクスプレスを利用しなければなりません。
アリエクスプレスの利用自体は難しくありませんが、トラブルがあった際は非常に面倒です。
少し高くなってしまいますが、購入するならAmazonのほうがオススメです。
紹介したメリットとデメリットを考慮しつつ、格ゲー用パッド選びの参考にしてみて下さい。